多くの粒子からなる系を考えると、その時間発展は古典系ではリウヴィル方程式に支配される。この方程式は多粒子系の分布関数に従うものである。粒子数がNである系を考えると、分布関数はこれらの粒子の座標と運動量の関数であるが、ある粒子の自由度のみを残して他のN−1個の粒子の変数を消去(積分)してしまうと、一体の分布関数が得られる。この一体分布関数の時間発展を記述する式はリウヴィル方程式から得られる。ところで多粒子系は一般に粒子間の相互作用を含むので、一体の分布関数の運動を追うと二体の分布関数が現れ、二体の運動は三体と結びつく、というように分布関数の一連の鎖ができてし......
多くの粒子からなる系を考えると、その時間発展は古典系ではリウヴィル方程式に支配される。この方程式は多粒子系の分布関数に従うものである。粒子数がNである系を考えると、分布関数はこれらの粒子の座標と運動量の関数であるが、ある粒子の自由度のみを残して他のN−1個の粒子の変数を消去(積分)してしまうと、一体の分布関数が得られる。この一体分布関数の時間発展を記述する式はリウヴィル方程式から......