羅龍文(ら りゅうぶん、 生年不詳 - 嘉靖44年(1565年))は中国明代の墨匠(製墨家)である。安徽歙県の人。龍文は諱。字を含章、小華・出泉などと号した。裕福な家に生まれ、古典を読むことを好み、詩文や書に秀でた。また生家は膨大な書画骨董を収集していたので若くして鑑識眼が養われたという。製墨や製紙の優れた技術をもち、とりわけ製墨では、松煙墨に代わる油煙墨の先駆となる製造法を開発し、交友のあった程君房・方于魯など名工に影響を与えた。当時、龍文の製造する墨一塊は、馬蹄銀一斤と等価とされ、嘉靖年代の代表的な墨匠に挙げられている。墨の代表作として「九錫玄香」(宇......
羅龍文(ら りゅうぶん、 生年不詳 - 嘉靖44年(1565年))は中国明代の墨匠(製墨家)である。安徽歙県の人。龍文は諱。字を含章、小華・出泉などと号した。裕福な家に生まれ、古典を読むことを好み、詩文や書に秀でた。また生家は膨大な書画骨董を収集していたので若くして鑑識眼が養われたという。製墨や製紙の優れた技術をもち、とりわけ製墨では、松煙墨に代わる油煙墨の先駆となる製造法を開発......