「いのちの初夜」(いのちのしょや)は、北条民雄が『文學界』(1936年2月号)に発表し、第2回の文學界賞を受賞した短編小説である。ハンセン病の診断を受け、療養施設に入所してからの1週間に起きた出来事や、感じたことを、手記風にまとめた私小説である。作品の冒頭でその施設を、「東京から二十マイルそこそこの」と記述してあり、彼が入所した東京府北多摩郡東村山村の全生園とほぼ一致することから、彼の実体験がかなりの比重を占めているものと思われる。現在角川文庫で発売されている同名の本には、そのほかに「眼帯記」、「癩院受胎」、「癩院記録」、「続癩院記録」、「癩家族」、「望郷......
「いのちの初夜」(いのちのしょや)は、北条民雄が『文學界』(1936年2月号)に発表し、第2回の文學界賞を受賞した短編小説である。ハンセン病の診断を受け、療養施設に入所してからの1週間に起きた出来事や、感じたことを、手記風にまとめた私小説である。作品の冒頭でその施設を、「東京から二十マイルそこそこの」と記述してあり、彼が入所した東京府北多摩郡東村山村の全生園とほぼ一致することから......